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メキシコのコスメル島では、日本人が経営する民宿のようなところに宿泊した。基本的にお客は日本人のみで、部屋は男女ミックスのドミトリーだった。
もう半年程旅をしているが、宿はだいたいホステルと言われるドミトリーに泊まって来たが、そういった宿で日本人に会う事は殆どなかった。
日本人に会う宿は地球の歩き方に乗っている宿や、ネット検索して、ブログ等で絶賛されている宿等、それと日本人宿である。
旅行当初は、別に日本人に会わなくても、別にどうって事ないと思っていたが、半年も経つと、たまには日本語の会話をしたくなるし、いろんな旅行情報も日本語で、得る事ができて、便利な場合も多い。
今回、コスメルに日本人宿があると聞いたのでとりあえず行ってみるかというのりでやって来た。
到着した日は我々含めて、8人が泊まっていた。我々は3泊したが新参者の私たちは、1泊目、2泊目は我々だけで夕食を作って食べていたが、他の人達は、みんなでご飯作って一緒に食べている。いわゆるシェア飯だ。
夕方になると、だれともなく夕飯どうする?みたいな話になり、じゃあ一緒に食べましょうみたいな感じで、なんとなく買い出しに行って、何となく誰かが作って、洩れなくみんなが食べる。
かかった費用はすべて割り勘と言う感じのようだ。 飲み物等は、自分で飲みたいものだけを自分で準備しているようだった。
我々は、1日目、2日目は、早々と材料を買って来てしまったので、シェア飯には参加しなかった。
1日目の我々の食事は参考までに、豚肉の生姜焼きに、ワカモレ。ワカモレはアボガドを潰して、タマネギ、トマト、ニンニク、レモン汁等を加えたもので、南米では一般的な料理のようである。我らも、こっちに来て覚えたので挑戦した。
久しぶりの生姜焼きうまかった。旅に出て3ヶ月くらいは、別に日本食はどうでも良かったのだが、無性に食べたくなる。
2日目はエビチリにした。エビチリは本来は、エビを一度揚げてから、豆板醤とケチャップで作ったソースに絡めるのだろうが、豆板醤なんて手に入らないので、チリが入ったトマトソースを使って、作ってみた。
エビの殻をむき、背わたをとり、みじん切りしたタマネギ、ショウガ、ニンニクと一緒に痛め、火が通ったら、チリ入りのトマトソースと水を投入し、隠し味に、醤油と塩を入れて、を調整したら、火を止めて、とろみ付けに、生卵を流し入れかき混ぜて、出来上がり。超簡単である。
一緒にダイビングした女性に、少しお裾分けしたら、忘れられない味ですと、忘れられない言葉を頂いた。
お世辞とは思うが、普段ほめられる事のない私にとって、ほめていただけるのは、とてもうれしい物だ。
さて3日目だが、一緒に泊まっていた人達とレストランでお昼を食べて帰ろうとすると、ものすごい大雨、仕方なしに、雨がやむまで、スーパーで夕飯のお買い物。
私は、無性にカレーライスが食べたくて、妻にカレーを作ろうよと提案。
ところがカレールーなんか売っているはずもないが、ただカレー粉は売っているのを既に見つけていた。
以前にカットトマトにカレー粉を入れてうまいカレーを作った事があったので、昨日つかったチリ入りトマトソースを使えば、うまいカレーが出来るとひらめいた。
さすが俺だ。誰もほめないので自分でほめる。
一緒だった女性にカレーを作るというと、目がキラリと輝き、ぜひ一緒させてくださいと言われた。他の3人にも妻が聞いたら、カレーなら絶対食べたいと口元が緩んだらしい。
宿にいる日本人は殆どが長期旅行者で、1年近く日本に帰っていない人達ばかりだ。日本の味に飢えている。もちろん自分もそうだ。
これで6人。とらえず6人分の材料を買い込み、宿に戻ると、宿に残っていた3人が、夕飯どうするの?と叫ぶ。
カレー作るけどシェアする?って聞くと、ごくりとつばを飲み込む音が聞こえた。もちらん残りの3人も合流することになった。
3人分の材料を追加で買って来てもらう事にして、料理がスタートした
一部だがカレーの材料 |
自分たちだけのつもりだったので、気楽に考えていたが、全員分の夕飯がかかってくるとなると、責任重大である。
米は自分が持っていた分が4合半。鍋で炊く。固かったり柔らかかったりしたら、大変であるが、適当に水を入れて焚いてみる。
飯を炊くときは、柔らかくなってしまったらどうしようもないので、水を少なめに入れて、一度焚いてみる。固かったら水を足して程よい固さになるのを確認する。今日は一発で、少しお焦げの薫る程よい固さの飯が炊けた。さすが俺だ。だれもほめないので自分でほめる、
そうこうしていると、オーナーがやって来て、あれ?もしかして私の分って入っている?と聞く。卵が9個しかないんだけど10人よねっていう。
オーナーの分は考えていなかったが,卵は、余っていたのがたまたま9個だけだったのだが、卵は切って分けるから、ちゃんとありますよと言いその場を取り繕う。一人分くらいはどうにでもなるのがカレーライスだ。
結局買い足して来た米3合を炊飯器で炊き、7.5号を10人で食べることになった。
カレーの材料は、人参、タマネギ、ジャガイモ、豚肉、とトマトソース、カレー粉である。カレーの作り方はいたって普通。カレールーがないのでトマトソースとカレー粉で作るだけだ。
面白いのが、みんな自分の出来る事は率先してやる。野菜切るのが得意な人は、切る。
いためるのが得意な人はいためる。自分の材料を持っている人は持ってくる。
風呂に入る人は先に入る。実はこれも重要なのだ。ご飯が済ん風呂に入るととても込み合うので、先に風呂に入るのは、全員にとっていい事なのだ。
誰も言われなくてもなんとなくみんなうまく動いてしまうのが面白い。
得意分野が済んだら、何処かに消える。そうすると誰かがまたやって来てごそごそとやる。
スパイスのクミンを持っている人がいて、クミンを投入する。日本のカレー粉ひとかけらを持っている人もいて、それを投入する。味を見て、なんだか物足りないと思った人は、持っていたマンゴーを投入する。
自分が味見したら薄くコクがないとおもったので、醤油と、コンソメスープを投入する。
最後は少し煮込んで、とりあえず終了。
一応歓声 |
妻は、肉が多すぎて入りきらなかった分を、オーナーが持っていたコチジャンでいためてなんだか作っている。
豚肉のコチジャンいため。これもなかなかうまい。 |
カレーの付け合わせには、サボテンの醤油煮みたいなものも作っている。このサボテン。酸味があり、いためて、甘辛い醤油で味付けすると、うまい。これは、昨日適当に妻が習得していた。
実は作るのにメチャ時間がかかっている。食べ始めたのは9時近かったのではないかと思う。立ちっぱなしだった妻は、椅子に絶対に座ると椅子の予約をしてしまった。
ようやく乾杯して、食べるが、当たり前だが、ちゃんとカレーの味がした。
たくさん並ぶカレーライス |
くまモンも仲間にいれてもらったから10人と1頭? |
写真撮り忘れたので、これは前日の様子 |
コスメル島 5月30日〜6月1日
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