バーリの港はバーリ駅から20/のバスに乗って、20分くらいだったろうか?港には大きなクルーズ船が泊まっており、その奥に我々が乗るスーパーファーストフェリーというとても速そうな名前のフェリーが泊まっていた。
バスを降りたところにある青い建物でチケットを買い、フェリーに乗り込む。チケットはデッキが67、シートが83、キャビンが2人で360ユーロだったかな?デッキにするかシートにするか悩もうとしたが、外は寒いので悩む必要はない。シートにした。
乗る時間が8時間程長いのでクロアチアからイタリアに渡ったフェリーより、ずいぶん高い気がした。しかしながら、船は、新しくそこそこ奇麗であった。
出航は13:00ギリシアのパトラ港には7:00の到着予定だ。スーパーファーストフェリーだが乗船時間は17時間結構長い。
さすがに船内で何も食べない訳にはいかない。レストランで、チヌのような魚のグリルと、グリークサラダというギリシア風サラダ、ビーフの煮込みにビールを注文したら、40ユーロもかかってしまった。Σ( ̄□ ̄;)
魚は塩気がなかったが、昨夜の塩辛いリゾットと相殺されてよかったかも。
食事を食べながら何となくカーテンを見ると、なんか虫がいる。よく見るとナンキンだった!! こんなところにもナンキンが!! もしかしたらシートにもいるかもしれないという恐怖が湧いて来た。
もうシーズンは終わったので、船はガラガラだが、カーデッキには大きなトレーラーが一杯積み込まれ、よくまあこんなに奇麗に詰め込めるなと感心した。
ガラガラなので、シートを4つ使い、横になったがでこぼこで、傾いており、寝にくい。またナンキンへの恐怖感から熟睡は出来なかったが、翌日は不思議と疲れはなかった。
7時に入港。奇麗な朝焼けが我々を迎えてくれた。
7ユーロ。メーターは使わないので、きっとボラレている。
バスターミナルで切符を買う。8:15のバスは満員で、9:00のチケットを買う。我々より遅くチケットを買ったフェリーで一緒だったカップルは8:15のバスの最後の2枚のチケットを手に入れていた。なんで?? 並んだ窓口がよくなかった。
今日の宿は、アテネの中央駅の近くのビジネスホテルにした。ダブルで39ユーロ。もっと安いホテルはあったが、だいたい最安値のホテルでいつもナンキンにやられるので、若干高めにしてみた。
部屋は奇麗だった。バルコニーもある。
持っている服は、近くのランドリーで洗濯。なんと20ユーロもした。今までで一番高い。洗濯料金がどんどん高くなる。
ナンキンのキャリアになってないかとても気になるので、バッグの中身を全部出し、ナンキンチェックをしたが、やはり見つからない。それでも気になるので、バルコニーでバッグを日に干した。この日はとてもいいお天気、バッグを触ると、熱い。もしナンキンがいたとしたら、この熱さが嫌になって出て行くはずだ。
よごれモンになっていたくまモンも洗濯し、いけモンになった。 |
アテネの観光は、パルテノン神殿見学、アクロポリス博物館、ケラミクス遺跡&博物館、考古学博物館、その他、遺跡少々を見学。
パルテノン神殿は、アクロポリスの丘の上にあり、市内のいろんなところから見る事が出来る。
垂直に立ち上る丘を息を少し切らして登る。途中に、野外劇場がある。この劇場の最前列は、貴賓席のようで、細かな彫刻をあしらった椅子が並べられている。その外側の一般席は、縁から25センチ程度が5センチ程高くなっており、そこが座面、後ろの低くなっているところが通路であるということがわかった。座ってみると座り心地は悪くなかった。
観客席 |
おそらく王様用の席 |
劇場全体 |
もう一つの大きな劇場は、改修され、今でもコンサート等に使われているようだった。
皆が歩くので、大理石はすり減り磨きをかけた様にピカピカと光り輝いているが、滑りやすい。何人かのお年寄りがひーひー言い、みんなスリッピーと声を掛け合い、注意を促している。
門を抜けるとパルテノン神殿だ。しかしその姿は、私が知っている姿ではなかった。修復作業中で、クレーンが横に立てられ柱は、セメントで固められており、骨折治療中の様で痛々しい。こちらは裏側だった。
反対側にまわると、そこには教科書に載っていたパルテノン神殿があった。
パルテノン神殿の柱は、高さ50センチから1mくらいの大理石を円く削り、縦縞模様を彫り込み、その石を上に積んで出来ている様に見えた。
パルテノン神殿 |
パルテノン神殿は意外とたいした事無いなというのが感想だが、このアクロポリスの丘から見るアテネ市内の景色が素晴らしかった。
アテネ市内 |
アテネ市内 |
この高層ビルがないところが良い。
夜のアクロポリスの丘 |
ゼウス神殿 |
この公園には、倒れた柱もそのままにしてある。これを見ると、やはり、柱は円い大理石を積み上げて作られている。倒れた柱は、それぞれのパーツ部分で柱がずれて、恐竜の脊柱の様である。私はその様子から、す巻きで表面に縞模様をつけた日本のだし巻き卵を連想してしまった。
ケラミクスの遺跡は、当時の墓地と、陶芸職人の作業場があった場所らしい。立派なと彫刻をあしらった当時の墓石がたくさんあった。
また、陶器を焼いた窯跡等もあり、ケラミクスが陶器のセラミックの語源となった等とガイドブックには紹介されている。
ここは、アクロポリスの丘と異なり、観光客が少なく、のんびりできるが、ここにある博物館では、幼稚園児、小学生、老人会のお年寄りまで幅広い年齢層の団体ツアー客でにぎわっており、このケラミクスで発掘された、墓石や、陶芸品、彫刻等展示してある。
アクロポリス博物館は、このアテネにはちょいとミスマッチな近代的な建物であった。この博物館は、遺跡の上に立てられているようで、床の下では今でも発掘作業が進められているようで、入り口のアクリル張りの床の下では、作業員が、発掘作業を行っていた。
入り口のアクリル板の下では発掘作業がつづく |
土をかき分け、表面に残った土をブラシで払うと、奇麗なモザイクが見えた。これはモザイクの床の発掘作業の実演なのか、本当の発掘作業かはわからなかったが興味深かった。
次には、考古学博物館、ガイドブックには、15:00までと書いてあったが、とりあえず行ってみると、20:00までやっていた。
ここには、特定の一部の地域を除いたギリシア全土から発掘された彫刻や美術品が展示されているらしい。ここでみた彫刻は男性の裸の彫刻が多く、大事なところも変に隠す事なく作られていたが、先っちょが損傷しているものが多く、痛々しい。
先っちょが。。。 |
悔しいので、いろんな彫刻のポーズだけ、まねてみると、オジさんが、ちょっと違う、こうだとお手本を見せてくれた。
しかしながら写真を撮らずにポーズだけ取っているのもなかなか格好悪い。
いつもの様に、この3つの博物館のなかで最も印象に残った作品MIC(Most Impressive C
arving)を決めてみた。
それは、考古学博物館にあった裸婦像だ。これは、化け物にいたずらされそうになった女性が自分のサンダルで化け物を殴ろうとしている作品だ。
MICの作品 |
現代でも通用しそうなサンダルのデザイン |
アテネという街は、事前情報によると汚く、治安が悪いということで、いつも以上に気を使っていたが、観光地しか行っていないせいだろうか?それともナポリを見たあとだからか?ゴミも少なく奇麗であった。
また地下鉄も、奇麗で、待ち時間も少なく、快適であった。
オリンピックをやった時にかなりがんばって整備したのではないかと思う。
しかしながら、列車のボディーに書かれた落書きはナポリを彷佛させるほどの物で、街のあちらこちらの落書きも、少しヤバい感じがする。やはりいつも以上に気をつける必要がある。
食事についてだが、いままでより2割程度安い感じがする。一皿の量も多かった。気にいったメニューはグリークサラダ(ギリシア風サラダ)大きめに切ったトマト、キュウリ、タマネギのスライス、オリーブ、ピーマンがはいっており、上にヘタチーズがのっているシンプルなサラダで、お好みでオリーブオイル、酢と胡椒、塩を掛けて食べる。
グリークサラダ |
チーズは若干臭うので必要は無いが、これは何の味付けがされていなく自分で適当に味を付けて食べるのがよく、普段家で食べているようなサラダと同じだ。
イワシグリルを注文したら、こんな小さなものだった。 |
最近、くまモンの写真を撮る事をよく忘れるので、いじけたのかもしれない。
おそらく今頃は自由な旅を謳歌しているだろう。1000年後、ケラミクス遺跡で発掘されるかまたは、既にケラミクスの博物館に陳列されているかもしれない。
我々は、傷心のまま、アテネを後にした。