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2015年6月19日金曜日

インド総括

人力車
インドに行った人は、思い切りはまる人と、もう2度と行かないという人に分かれるという事をよく聞く。自分はどっちかというと、また行きたいとはあまり思わないので後者のほうだろう。

 インド人は、とても人懐こく、一見フレンドリーだ。歩いていると、「どこに行くんだ?」としきりに声を掛けて来くる。大抵は、仕事の営業なのだが、断っても断っても何処までもついてくる。営業で話しかけてくる人も話してみると、仕事以外の事でも親切に教えてくれたりして、根は悪くない人達ばかりのようだ。1人で来ても話相手には困らず、寂しい思いをすることが無いというのがインドの魅力なのかもしれない。自分は、逆に面倒だったりして、そういった人懐こさ,しつこさは苦手だった。
フレンドリーな家族、呼ばれたので家の前でおしゃべり。お水をご馳走になったが、生水を飲んでいいものか迷った。

子供達はどこいっても愛想振りまいてくれる。
カメラを向けるとすばらいい笑顔をくれた。

 インドの街は何処にいっても混沌とした感じでめちゃくちゃな感じがする。道にはリキシャ野良牛が四方八方から押し寄せてくる感じだ。交通ルールなんかあったモンじゃない。インドは左側通行だが、ニューデリーのメインバザールなんかはどっちが通行なのかわからない状態だ。


牛は、お腹すくとなんかくれ〜と店先を覗く。

 道には野良牛のが至る所に落ちており、それをリキシャや車が踏みつけて薄く伸ばされ、それが乾き、車やリキシャが、巻き上げ牛糞が空中を漂う。まさに空中肥料状態で、また、道には屋台が多く、屋台から放たれた煙も漂い、街の中はもやがかかった様な状態に見える。
ほかほかの牛糞

 最近ネットで見たのだが、インドの大気汚染は中国より深刻で、ニューデリーなんかは北京の2倍くらい汚いらしい。自分は、鼻くそが真っ黒になり、インド滞在中は、喉が痛く、ずっと喉に痰が絡んでいた。インドを離れた2日後すっかり良くなったので、ヤッパリ、インドの空気が悪かったのだと実感した。

死んでいるのかと思った。

 インドは、ニューデリーリシケシハリドワールアーグラアウランガーバードハンピに滞在した。最も気に入った所はリシケシだ。
リシケシの謎のおじさん

リシケシまでくればガンジス川も綺麗だ。

 リシケシは、ちょっと辺ぴな所にあり、ガンジス川が流れ、その両側に小さな街が形成されており、のんびりした感じで、ここでヨガをしながら、長期で滞在するのはいいかもと思った。ガンジス川と言っても上流域であるので、川の色は青くきれいである。唯一インドでもう一回行ってもいいなあと思ったところだ。
リシケシのヨガ道場

 一番嫌いな街は、アーグラ。ここはタージマハールがあることで有名だが、街自体は汚く、交通はめちゃくちゃ。タージマハールという一級の観光地があることで、逆に街が擦れている様な感じがした。タージマハールやアーグラ城なんかはきれいに整備され管理されているのに、なんできれいな町づくりが出来ないのかが不思議だなと思った。
タージマハール

 インドは列車の交通網がかなり整備されており、長距離の移動には便利だった。バスもあるのだが、バスに長時間乗るのは窮屈だが、列車だと動き回れるので気分的に楽だ。車両は寝台車両が多く、座席の種類も豊富なので、予算に合わせて選べるのがよい。
列車はとても長い。(アウランガーバード駅)

 さすがに、ジェネラルという一番下のクラスには、防犯上危険なので乗らず、かなり良い方のシートを使っていた。列車自体はちょっと汚い感じもするが、まあ許容範囲だった。


 列車の切符は、駅に買いに行かなければならない。大きな駅には外国人用の専用カウンタがあるのであまり並ばずに買う事が出来るが、前日や2日前とかだと、満席で思う様に買う事がきなかった。当たり前だが、しっかり計画を立てて、早めに切符を購入する事が大切だ。

 インドの列車はどうせ遅れるだろうと思い悠長に構えていたが、意外や意外、始発でもないのに、定刻にやって来てビックリしたことがあった。でも、到着はしっかり2〜3時間遅れた。

日本の新幹線はインドに売り込んでいるという話も聞いている。インドに新幹線が走っ
ている姿はあまり想像できないが、もし実現したら、インドの旅はもっと快適になるに違いないと思う。何時になるのかわからないがぜひ頑張って受注してもらいたいと思う。

 列車の予約が出来なくても大抵の所ならバスがある。しかしながら、バスの路線がどうなっているのか自分で調べるのは困難だった。自分は、旅行会社に頼んだ。旅行会社でも、バス路線を把握しておらず、インターネットを駆使して調べてくれる。

 長距離の寝台バスがなかなか良かった。これは、座席がベッドになっているバスで、完全にフラットで身長175cmの自分にはぎりぎり足を伸ばして寝る事ができた。今まで乗ったバスの中では一番快適かもしれない。しかしながら、このベッドはシートにはならないので、起きているのは辛いので、昼間は乗らないほうが良い。
 トイレはついていないので、トイレに行きたくなったら運転手に言えば、適当な道端で止めてくれる。しかしながら、老若男女問わず野ションとなるのが欠点だ。

 あと近距離の移動にはリキシャが便利だ。リキシャは、人力とオートリキシャがある。人力に乗ってみたが、ちょっと坂になると運転手は立ちこぎで、かなりキツそうに感じ自分の体重の重さを申し訳なく思い、ダイエットをしたい気分になるので、体重オーバーの人にはお勧めだ。

 オートリキシャは3輪車で、つめれば後ろ3人、前に2人、全部で5人くらいはお客さんが乗れそうだ。小回りが利いてとても便利である。面倒なのが料金交渉。だいたい相場を知らないので、大抵吹っかけられ、値引き交渉も思うようにいかず、大抵事前に調べていた額より多く払っていた。この料金交渉制は面倒だなと思っていたが、最初に料金交渉するので、一旦交渉が成立すると、ドライバーは最も速く行けるルートを考えて行ってくれる。もしメーター制なら遠回りされてもわからないので、かえってよくないと思った。そう思う様になってから、料金交渉が楽しくなった。

 インドを走っている車は、見た目日本のスズキ製の車が多かった。ロゴにはマルチスズキと書いてあるが、間違いなく日本のスズキだ。それから、T字のエンブレムをつけた車。トヨタと最初思ったがトヨタではない。これはタタ自動車というインドの会社の車だ。

 タタという車は、数年前に日本円で20万円台の車を販売するとして、世界中の注目を浴びた会社だ。何故そんなに安く車を作る事ができるのかと言う事で、とある会社で、その車を購入し内部の部品の調査を行ったらしいのだが、結局部品は古いものばかり特に目新しいものがなく参考にならなかったという話を聞いたことがある。
 当たり前のことだが、市販の古い部品を使うことがコストダウンの秘訣だったのだろう。

 このタタ自動車がなんでタタ自動車かというと、エンジンが「タタタタッ」という音がするからタタ自動車だという名前にしたと聞いたことがある。タタの車が走っているときによく音を聞いてみたのだが、別に普通の車の音だった。デマかと思っていたのだが、ハリドワールドで道を歩いていた時に、「タタタタッ」というエンジン音が聞こえた。

 あれ?と思い、あたりを見渡すと前方にオートリキシャが止まっていた。また「タタタタッ」と音がした。その音はそのリキシャのエンジン音だった。そのリキシャをよく見るとなんとタタ自動車のTのエンブレムがついていた。

 おそらくタタ自動車は、昔は、オートリキシャを作っていたのだろう。このリキシャのエンジンの音が「タタタタッ」だったのだろうと思った。ヤッパリ噂は本当だったということがわかった。

タタのリキシャ

 街を走っているリキシャのメーカーは2〜3個あったような気がするが、タタの物はこの時見た物だけだったので、今は作っていないのだろうなと思った。

 食事に関して、インドと言えばカレー。カレーと言えばインドなのだが、実はインドのカレーは思った以上に美味しく気に入った。もちろん辛いのだが、でもそんなに辛くない。しかしながら食べ終わると、お腹の中で辛み成分が暴れだし、代謝があがり、体があたたまり、なんだか無性にやる気がでてくるから不思議である。

 カレーにもカリーとマサラというのがあるようで、カリーはどちらかというとサラサラした感じで色が黄色いのもので、マサラは、もっとどろっとしており、色が赤っぽかったような気がする。ご飯やナン、チャパティーにつけて食べていた。
カレーを食べると力が湧いてきた。
しかしながら毎回カレーばかりでは嫌になる。そんなときは、チョウメンをよく食べた。
チョウメンは焼きそばで、何処のレストランにもある。焼きそばと思えば、日本の焼きそばのほうがうまいが、カレーの合間にたべるのにはよかった。チョウメンの中でも特にジンジャーチョウメンが気に入った。旅にでてから、なかなかショウガを食べる機会がなかったのだが、久々に食べたショウガはやはり体を暖めてくれて、体に力が湧いてくる様な感じがした。
チョウメンの調理中
それから、インドでは、ベジタリアンが多い。レストランのメニューにはベジタリアンとノンベジのメニューが置いてある。自分は旅に出てから、肉の臭みが強いものが多く、体が拒否反応を示すことが多くなり、あまり肉を食べられなくなっていたのでベジタリアンメニューがばかり注文していた。(帰国後は以前通り肉も食べているけど)

 でも約1ヶ月もいると、カレーとチョウメンだけでは最後の方は飽きてしまう。もう少し食事のバラエティーが欲しかった。
屋台で調理していたB級グルメ
そんなこんなで、25日間滞在したインドだったが、今まで行った国の中でも衝撃度は高く、印象は深い国であった。インドを出る時にはもう行くことがないだろうと思っていたのだが、帰国後どこの国が面白かったと聞かれると、面白いのはインドだと答え、ぜひインドに行ってみてくださいと答えるようになっていた。
 
 この原稿は旅の途中に書いた物だが、ブログにアップするのは実は帰国後かなり時間が経ってからである。この原稿を読み直しているとインドがとても懐かしく、また行ってみたいと思うようになっている。もしかしたらインドにやられてしまったかもしれない。
 

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