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2014年2月6日木曜日

ハンピ(インド)


ハンピ

 ハンピには、広い範囲内に遺跡が点在している。ハンピの中心部には大きな仏塔みたいなものがあるヴィルパークシャ寺院がある。
ヴィルパークシャ寺院

  とりあえず1日目は、この寺院の周りを歩いてみた。丘の上には大きな、石の建物があった。中に入ると、そこには大きな象の仏像ガネーシャが鎮座していた。ガネーシャは、象がお座りしている格好なんだろうか、愛嬌がある。石像だから象なんだろうか?


ガネーシャ

こんな巨岩がゴロゴロ

 ハンピの街にはサルがたくさんいるが、なんでサルの、石像は作らなかったのだろうかなどとくだらない事を考えながら見た。
住宅地にもサルがたくさん

 このヴィルパークシャ寺院の塔は仏像の彫刻ですべて覆われている。高さは、かなり高く、彫刻が段をなしている。全部で何段あるのだろうか?塔なので、上の方は細くなっている。

彫刻は一体一体少しづつ違っているように見える。望遠レンズで拡大して写真を撮ると、女性が3体描かれている。両側の女性は小さく、真ん中の女性は大きいので、両側の女性は真ん中の女性を世話しているような感じだ。真ん中の女性はなんと下半身が裸で大事なところがなかなかリアルな造りで、これ以上文章では説明できない。(笑)

 こんな彫刻が、堂々と、外側に向かって描かれている寺があるなんてなんてインドって奥深いのだろうか等と感心してみた。
この一段一段にちょっと怪しげな仏像が彫られている。
この寺の中に入るのには、確か2ルピーだったかな?お金が必要だ。
別に金払うのが惜しい訳ではなかったが、何故か入らなかった。

 入り口には、本物の象が立っており、お賽銭を差し出すと、起用に鼻でそれをつまみ上げ、それを、集金係のオジさんに渡すという芸当を行っている。やってみたい気持ちはあったが、チョット恐いのと、象の鼻水が手に付きそうだったので、挑戦しなかった。

お賽銭象
噂では、小銭は受け取らずある一定額以上でないと象は受け取ってくれないという事だったが、それを確認できなかったのが残念だ。

 この象は朝夕川に水浴びにやってくると聞いていたので朝川で待ち伏せをしてみたが、その日はやってこなかった。後で、別の人が撮った写真を見せてもらったが、川の中に寝そべり鼻で水を浴びている姿がとても可愛らしかったので、見る事が出来なくて残念であった。

 次の日は、リキシャを使って、ロータスマハルエレファントステーブルヴィッタラ寺院などの有料物件を観て廻った。

 リキシャマン達は、しきりに、これらの遺跡を観に行くことを勧めて来てリキシャをチャーターさせようとする。しかしながら、チャーターは高いし、歩くには若干遠い。レンタルチャリが一番よいと思うのだが、我々はチャータはせずに、一つ一つリキシャを乗り継ぐ事にした。

 まずロータスマハル。んー別に特に記憶に残っていない。次にエレファント・ステイブル。象の飼育小屋だったのではないかと予想された。飼育小屋にしては立派なのだが、ガネーシャのような石像になるくらいだから、象は昔から大切にされていたのではないかと思われる。その先にも点々と遺跡はいくらでもあるのだが、殆ど崩れていて、なんだか良く分からないので、引き返して来た。

 その辺にいたリキシャを捕まえて、ヴィッタラ寺院にむかったが、ドライバーはアリと言って、まだ20歳そこそこの可愛らしい青年だった。名前を言う時、自分で昆虫のアリだよというので、すぐに覚えた。

 途中、王女のプールがあるので、そこに寄ってくれるという。プールに到着し、リキシャを降りると、そこには、ホスペットから我々をハンピまで乗せて来たリキシャマンがいた。

 よっ!と挨拶して、通り過ぎたが、そのあと怒鳴り声がした。振り返ると、リキシャマンはアリに怒鳴っているようだった。おそらく彼は、アリに客を取られたと思ったんだろう。しかしながら、自分たちは、彼の専属客ではない。後で、ハンピの街の中で彼は私らに怒った顏して、なんで俺を使わないんだと言ってきたが、必要な時にいなかったからだよ。と言うとそうかと言ってどこかに消えて行った。なんだかこんなのがめんどくさい

 話はそれたが、ヴィッタラ寺院だ、リキシャを降りてから、寺院までは相当長い距離を歩かなければならなかった。もちろんタクシーみたいな物もあるのだが、別に料金がいるので、歩く事にした。

 ようやくたどり着くと、中は修学旅行かなんかの子供達で一杯だ。みんな私たちを見ると、写真を一緒に取りたがり握手を求めてくる。アイドルのような気分だ。
 そして、かならず日本のお金もってないかと聞かれる。持っていないので、無いというのだが、毎回なのでめんどくさい。外国のお金をコレクションするのがはやっているのかもしれない。

 さてこのヴィッタラ寺院は戦車のような石像もあり記念撮影スポットになっている。
ガイドブックによるとミトナ像という男女接合像があるということだったが、それは見つけきれなかった。おそらく子供達が来るので隠してあったのかもしれない。それからミュージックストーンという叩くと響く柱もあり、叩いてみたが確かに音はするが、なんとなく微妙であった。

 中に入ると真っ暗な建物があった。修学旅行の子供達と中で一緒になってしまい、子供達は恐がり、大騒ぎだ。自分は小さなLEDライトを持っていたので、それを、顏の下から当ててみたら、子供達がさらに怖がり、自分の周りから逃げ出してしまったのには笑ってしまった。

 このヴィッタラ寺院からリキシャの通れない川沿いの道を歩いて帰ると、意外と村までは近い。30分程で村に着いた。このくらいなら、わざわざリキシャを使う事もなかった。


 ハンピでどうしてもやらなければならないことがあった。それは洗濯だ。
アウランガーバードで部屋乾しして、納豆のような匂いになってしまったシャツと、バスのトイレ休憩時に踏んでしまった肥料のようなものを落とすために、サンダルを洗わなければならなかったが、宿には、きれいなバケツと屋上に物干し場があったので重宝した。

 もちろん、村には、洗濯サービスもあったが、近くの川では、村人が洗濯しており、川で洗濯されるのではないかという心配があり、サービスを使うのは躊躇してしまった。

洗濯にはちょっと汚いと思うのだが
河原に洗濯物が干してある。

 広々とした屋上で、洗濯物を乾し、匂いは取れてホッとした。

 宿の部屋はきれいでWifiもよかったが、夜10時過ぎると、地響きの様ないびきが聞こえてとてもうるさい。隣の部屋の人のいびきかと思ったが、音がデカすぎる。ドアをあけて廊下を見ると、宿のオヤジが廊下に布団敷いて寝ていた。

 夜の門番として、宿の人は、レセプションに寝ている所は安宿では多かったが、ここはレセプションがないので、廊下に寝ていたということだが、いびきはどうにかしてほしいものだ。

 部屋はきれいに見えたが、2日目ベッドに寝ていると、なんだかもそもそと痒い。3日目の朝には、手足が赤く腫れ上がっていた。ナンキンだ

 ベッドのシーツははぎ、ナンキン虫を探しまわるが、姿は見えない。しかしこの症状はナンキンで間違いがない。その日部屋を移る事にした。

 部屋探しは、難航した。部屋はたくさんあるのだが、気に入らない。ようやく、妥協して、部屋を決めたが、前の所に比べると、狭くて見た目はあまりきれいでなく、Wifiも弱かった。
屋上に洗濯物が干せるというのが決め手だった。
宿の入り口にはこんな魔除けが描かれている
川の対岸には、山の上にハヌマンテンプルというお寺があるそうで、景色がよいというので行ってみることにした。船外機付きのボートで巾30mくらいの川を渡る。そこからリキシャをチャーターして寺院まで行き、階段を登って上まで行く。リキシャは、我々が降りてくるまで待ってもらう。

ボートの料金所
渡し船
以前はこのざるのような船で渡っていたそうだ。今は観光用みたい。
オールを持っているのはリキシャマンのアリ


 階段の途中ではサルがたくさん。降りてくる人から、眼鏡をサルに取られない様に気をつけてね。と声をかけられる。まさかと思いながら、登って行く。20分くらいで頂上についた。そこには、掘建小屋のようなお寺っぽくないお寺があった。もちろん景色はよかった。

曲者のサル

一応お寺らしい

ハヌマンテンプルの頂上より
1人の白人の女性が騒いでいる。よく聞くとiPodをサルに盗られたらしい。女性はだれか助けてよ〜と泣き叫んでいるが、相手がサルではどうしようもない。かわいそうだが諦めるしか無い。

 頂上ではそんなにする事もなく、すぐに降りて来た。一応イヤホンしているサルがいないか探してみたが、見つからなかった。

 フェイスブックを見ていると、なんと、デリーで会った人が、ハンピに来ているというので、その人の宿に尋ねてみた。その宿は日本人の奥さんがいるカラヤンゲストハウス。
そう、我々が行った時にちょうどそこのお母さんが亡くなり、泊まれなかった宿だ。

 葬式が終わり、ようやく泊まれる様になったようだった。

 宿の入り口の周りは、地面の色が四角く黄色くなっている。地面に牛の糞を塗っているようだ。おそらく魔除けかなんかなんだろうが、ちょっと糞の上を歩くのは勇気がいるが、町中糞だらけなので、もうそんなことどうでもよくなって来てる。
牛の糞で玄関のまわりを塗る。
靴のそこに糞が付き、洩れなく家の中に糞が入り込むという仕組みになっている。
中に入り、デリーで出会ったヤスヨさんとお子さんのキューちゃんに再開。なんとここにはエローラで出会った平野君も泊まっていた。それともう1人の日本人女性と我々の6人で、マータンガ山という山に夕陽を観に行く事にした。

 マータンガ山は、ハンピのバザールから、10分程歩いた所にある岩山で、20分位で登るが、岩がむき出しになっており、サルがたくさん住んでいる。足場も悪い上にサルにも気をつけなければならない。

サルの岩山を登る
自分たちの前に登っていた男性はサルよけの棒を持っていた。自分たちも持ってくれば良かったとおもった。
サルもこの風景にうっとり
手すりの無い絶壁のような岩を登って行くのだが、5歳の子供もいて、ちょっとハラハラしたが、無事に登る事ができた。頂上には、お寺の建物があるが、ここには誰も住んでおらず、若干荒れている。このお寺の屋上に上り、夕陽を眺めた。

 観光地の夕陽ポイントというと、たくさんの観光客で溢れ帰っているが、ここには我々以外に2組しかおらず、ゆっくりと夕陽のショーを楽しむ事ができた。










 帰りも手すりのない岩山を降りなければならない。暗くなると危ないので、日が沈むと慌てて下山した。

 その日の夜は6人でにぎやかにディナーを楽しんだ。

 次の日、日本人宿の前にある食堂ではミルクを凍らせてシェークを作っているので冷たいシェークでも安心して飲めるよと教えてもらったので、ヤスヨさん親子とシェイクを飲みに行った。冷たいシェイクは美味しかった。が!! その日の夜に我々は、深夜バスでバンガロールというところまで移動の予定であったのだが、なんとお腹を壊してしまった。シェイクが原因でないとは思うのだが。。。
唐辛子の揚げ物みたいなもの。超辛い。唇が腫れた様な感じがした。
揚げ物の衣が厚いのはインドも日本も同じだ。
この日は夕方6時まで部屋を借りていた。お昼から部屋に籠もり、トイレとの往復だった。

 ハンピから、ホスペットに行くのに公共バスで行ったのだが、ハンピのバス停で待っている間もトイレに行きたくなった。トイレは何処?と待っていた母娘に聞くと、お母さんは英語がわからないようだったが、娘は自信満々の英語で、場所を教えてくれた。

 そういえばインドでは英語が殆ど通じた。英語の教育はどうなっているのかと、リキシャマンに尋ねた事があった。リキシャマンは、自分は学校に行っていないので、英語は、ツーリストから覚えたので、話はできるが、読み書きはできないと言った。でも今の子供達は、幼稚園から英語を習っていると言っていた。やっぱり教育の成果が出ているのだろうと思った。

 ホスペットからバンガロールまで約10時間。お腹は痛かったが、なぜか、大丈夫だろうという根拠の無い自信があった。寝台バスなので、足を伸ばして寝る事が出来て、なんとか大丈夫だった。バンガロールに到着後、すぐにトイレに駆け込んだ。

 バンガロールは特に泊まる事もなく、飛行機でデリーへと向かった。

2014年1月20日月曜日

奇跡が起こった。 ハンピへの移動

 いよいよハンピに向かう。アウランガーバードのバス停からプーネへはパブリックのちょっといい(といっても普通)のバスに乗り込み、5〜6時間位走っただろうか?

 プーネに着いたときはもう夕暮れだったが、プーネの街は大きなビルが建ち並び、おシャレな宝石屋さん等が車窓から見え、今まで見て来たインドのどの都市よりも都会に見えた。
インドにもこんな街が有ったんだというのが正直な感想だった。
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しかしながら、バスターミナルは相変わらず混沌としておりぐじゃぐじゃだ。バス停に着いてから、とりあえず夕飯を食べようとターミナル前のレストランへ行った。

 インドのレストランは、お水をステンレスの大きな水差しにいれておいてありコップも置いてあるので勝手に水を飲んでよい訳であるが、埃っぽい空気に外のテーブルに置いてある水はとても飲む気になれない。その時妻が「あっ」と叫んだ。通りを歩いていた浮浪者がレストランの水差しに直接口をつけて水を飲んで行ったのだ。やっぱり、レストランに置いてある水差しの水は飲んではいけないという事がわかった。

 このレストランでは何を食べたのか忘れたが、まずかったのだけは覚えている。だいたい都会になると飯がまずくなるような気がする。

 さて次のホスペット行きのバスは、このバス停とは別の場所であり、リキシャでべつのバス停まで行った。リキシャマンには、旅行会社の人に書いてもらった警察署の近くのバス停までお願いしたら、警察署に連れて行かれた。違うよ、バス停に行ってといいようやくパブリックのバス停に降ろしてもらった。

 バスターミナルは大きいので、ホスペット行きのバスが何処につくのか分からず係員に尋ねるが。その辺にくるとしか言わない。他の人にチケットを見せて聞くとこの旅行会社に電話した方がいいよなどというが、電話もっていない。

 ここで間違いないと思い、時間になったが、それらしきバスは来ない。インド人ではなさそうな白人系の男性が丁寧な英語で何か困っている事があったら助けになってやるよと言ってくれた。早速チケットをみせると、多分バス停はここでは無いと思うよという。

 もう一度、インフォメーションのオジさんにチケットを見せて聞くと、さっきはこの辺りと言ったくせに、この旅行会社に電話しろという。

 ここで初めて、バス停がここではないという事に気がついた。出発時刻まであと10分。ウロウロといろんなバスを物色していたら、先ほどの親切なオジさんが再登いいから私についておいで、なんとかなるからと言い、我々をバス停の外に連れ出し、通りを渡り、旅行会社並ぶ通りまで連れて行ってくれた。この時既に出発時刻2分後。バスはここにはいなかった。俺はもう諦めていた。

 オジさんは我々をリキシャに乗せ、次のバス停に向かうという。次のバス停といってもそんなに遠くはなかった。リキシャを降りたが、ここも違っていた。さらにリキシャに乗り、200m位先に止まっていたバスのところまで行くと、それが我々の乗るバスだった。この時、出発時刻20分後。奇跡が起こった。

 名前を確認して、YESと言われたときは歓声をあげ、オジさんとハイタッチをして喜んだ。丁寧に御礼をいい、オジさんの帰りのリキシャ代だけでもとお金を渡そうとしたが、受け取ってくれなかった。「君たちが喜んでくれたのならそれだけで十分だ。私もうれしい」と言い残して彼は去って行った。

 彼は現地の言葉がペラペラだったが、時折「メルシー」というフランス語のありがとうが聞こえてきたので、おそらくはフランス人ではないかと思う。本当に世の中には親切な人がいるもんだ、そして、ピンチの時に突然現れる。不思議だなと思った。


 今の日本で、困っている外国人に身銭を切ってまで道案内してくれる人がどんだけいるだろうか? 自分だったら、面倒なのでやらないだろうなと思った。でも今後そういった機会があったら、自分が出来る事はしっかりする事がいままで受けてきた親切に対しての恩返しだと思った。

 2020年東京オリンピックが開れる。見に来た外国人客が路頭に迷う事のない様にしてもらいたいと思った。


 インドの長距離バスはパブリックバスと、プライベートバスがあるらしいのだが、我々が乗ったのはプライベートバス。プライベートバスは,各旅行会社が運行しており、バス停は適当な路上とかになっているのだ。旅行会社の男性が言ったキーポイントの警察署の近というのが正確なバス停の場所だったのだが、我々はてっきりパブリックバスでパブリックバスステーションからバスは出ると思い込んでおり、パブリックバスステーションの場所が、警察署の近くだと思い込んでいたのが、間違った原因である。
 次にバスに乗るときはパブリックかプライベートかを確認しておく必要がある。



 バスはエアコンの寝台バス。寝台バスは車の進行方向に向かって2段の右にダブルベッド、左にシングルベッドを並べたような形になっている。我々は夫婦なので、ダブルベッドの下段を予約していた。

 長さは身長175cmの自分の足の先っぽが微妙に前のベッドとの壁ににあたるが、まあ狭くはない。

 見知らぬ男女がダブルベッドになってしまったらどうなるのだろう等といらぬ妄想を描きながら眠りについのだが、妄想しすぎて眠れなかった

 途中、トイレをしたくなりバスを止めてもらったのだが、そこは道端、老若男女とわず野ションである。トイレを済ませ、再びベッドに入るが、隣のオジさんがなんだか臭い。今度は臭くて眠れなかった

 気がつくとバスは少し長い時間止まっていた。「ちゃりんシャリン」とガラスのような音がする。なんだろうと見に行くと、なんと、バスのフロントガラス全損していた。どういういきさつで割れたのか知る由もないが、事故にならなくてよかった。バスは、そのまま走り出したが、フロントガラス全開なわけで、とても寒い。今度は寒くて眠れなかった

 ホスペットに到着してから気がついたのだが、トイレに行った時、どうやら自分は肥料のようのなものを踏んだらしくそれが靴とズボンにこびりつき、その匂いが臭かったということが判明した。臭いのは隣のオジさんではなくて自分だった。

 まあいろんな事があった寝台バスだったが、無事にホスペットに到着した。


 ホスペットでバスを降りると、リキシャマンが待ち構えており、すぐに捕まってしまった。料金交渉するも、事前情報のようになかなか負けてもらえず、そのうち他のリキシャがいなくなってしまい、交渉の余地がなくなりほぼ言い値でハンピまで行く事になってしまった。

 ハンピの宿は決めてなかったが、日本人の奥さんのいる宿に連れて行ってもらう事にした。まあ、こんなヘンピなところにも日本人が嫁に来ているというのには多少驚かされた。その女性はサキさんといい、小さなハンピの村では誰でも知っている存在だった。

 宿に到着すると、宿からは嗚咽が聞こえて来た。朝早いというのに宿の周りには大勢の人がいてすぐに普通ではない事が分かった。リキシャを降りて、宿に近づくと、近くの人が、今朝サキのハズバンドのマザーが息を引き取ったという。今日は泊まれないよとアドバイスをしてくれた。

 このハンピの村にはゲストハウスはいくらでもあった。リキシャマンが案内してくれて、少し村の入り口付近の500ルピーの一見きれいで、Wifiの電波が強かった部屋に決めた。
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2014年1月19日日曜日

エローラ、アジャンダの石窟寺院群 (インド)


 アウランガーバードに行く列車は朝6:00くらいにどこかの駅を出て夕方にアーグラに到着、車中泊して翌朝アウランガーバードに着く予定だった。どうせインドの列車だから遅れるだろうと思っていたらなんと定刻にやって来た。
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駅のホームはこんな学生等大勢の人で賑わっていた。

定刻にやってきた列車
さっそく乗り込み我らが席へ。そこにはトランプをしているインドの若者が。「すいません〜そこ私たちの席なんですけど」というと、俺たちそこだから替わってくれという。嫁は切れ気味に「ノー」と叫ぶと、若者達はノロノロとどいた。後で分かったのだがこの若者達の半分は席がなかったようで、夜は通路で寝てたのだ。席替わってたら、我々が通路で寝るはめになったかもしれない。

 しかし車内が汚い。ゴミだらけだ。しばらくすると掃除の人がやって来たので、かたづけてもらう。

 我らのボックス席は、生後3〜4ヶ月の女の子と6歳の男の子を連れた子連れのファミリー。お父さんは、アウランガーバードで、ブレスレットの販売をやっており、きょうは結婚式でアーグラに行っていたそうだ。
生後3〜4ヶ月の女の子
6歳の男の子ちょっとすね気味。

  ご飯どうしようかと思ってたら、ご飯を売りにきたのでピラフを買ってみたが、これが、冷凍ピラフをチンせずに解凍したみたいな感じの代物で、正直言ってこの旅一番の不味さだった。
途中の駅のホーム。死んでいるのかと思った。
夜10時以降は就寝。寝心地はそう悪くはない。A2クラスはエアコン付きなのでそう寒くはなかった。
A2クラスの車両
同じボックスのファミリーもアウランガーバードで降りるというので、安心だった。

アウランガーバードに到着
アウランガーバード駅
朝アウランガーバードに着き、とりあえず、ガイドブックに載っていたホテルに行ってみたが、あいにく2500ルピーの部屋しかないと言われ、別のホテルを紹介してもらった。そのホテルは1000ルピーできれいだったのでそこにした。

 アウランガーバード自体には特に何も興味がない。ここからバスで3時間程行った所にあるアジャンダという洞窟の遺跡と、バスで30分程のエローラという所にある洞窟遺跡が目当てだ。それと、ここからハンピまで行く方法を考えなければならない。
 ハンピはその名の通りとてもヘンピな所でとても行きにくい、どうやって行けばいいのか旅行社に相談する事にした。

 旅行社に行ってハンピまでどうやって行けばいいの?と聞くと、旅行社のお姉さん、そうね、ハイダラバードまで行って、そこからバスで行けるんじゃなかったけ?と言う。ハイダラバードまでは列車で20時間くらいかな?という。なんか遠すぎる


 そのうち男の人がやって来て、それよりはバスでプーネまで行き、プーネからフブリに行きフブリから3時間でハンピまで行けるというが、何となくしっくり行かない。
もっといい方法が有りそうな気がして、まだなんか有るだろとお兄さんに迫ってみると、いいアイディアがあると画面を見せてくれた。それは、列車で、アウランガーバードから少し戻り、そこから列車を乗り換えてフブリまで行くという案である。列車なら、乗り換えも難しくないのでいいかなと思い。早速列車の切符を買いに駅へ行ったのだが、満員で切符は買えなかった。
 また、エマージェンシーチケットかと思ったが、男性は、またパソコンとにらめっこした。

 そして、バスでプーネまで行き、プーネからホスペットまで寝台バスで行き、ホスペットからハンピまでは10kmくらいだからリキシャで行く案があると言い出した。
 ハンピに行くのはホスペットから行けと、ガイドブックには書いてあり、我々も納得した。最初からその案出してくれればいいのに。

 一つ心配なのはバスの乗り換えである。プーネに到着するバス停と、プーネから出発するバス停が違うらしいのである。

 男性は、プーネの出発のバス停の場所をチケットに書き込みながら、キーポイントはポリスオフィスの近くだと言った。このキーポイントってナンだろうと思ったが、バス停は公共のバスターミナルで、地図で位置を確認したから大丈夫なので、問題ないと自信満々だった。とりあえず、これでルートが決まった。


 アジャンダは、アウランガーバードからバスで3時間位かかる。
 朝6時台のバスに乗り、アジャンダを目指す。バスは田舎道を走り、バザールの中にあるバス停に到着した。アジャンダの街で、バスの外の物売りのオジさんがここがアジャンダだ降りろと言うが、実は、遺跡はもう一つ先のバス停であることは知っている。だまされないモン

この赤いおんぼろバスで行く

 遺跡の入り口で降りたのは何故か我々だけ。歩いていると何処からともなく日本語を操るオジさんが現れ我々を案内してくれる。怪しむ我々に、オジさんは、流暢な日本語で私はガイドではありません安心してくださいという。

 でも何故かトイレから食事まで世話を焼いてくれる。ここには日本のODAでたくさんの日本人がやって来て、いろんな事をしていたらしく、彼は、もう40過ぎのおっさんだが、子供の頃から、そんな日本人と仲良くなり、日本語を学んだという。

 ここには、真新しいお寺等があり、オジさんがいうには、日本のODAで作られた偽物ですと言っていた。

 インドへのODAの出資金額は日本が一番であるらしいが、偽物ですと言われるお寺を作って無駄にお金を使ってないのか若干心配になったが、現地の発展に貢献していると信じている。

 彼の狙いは彼の店でお土産を買ってもらうことと言う事は分かった。できればそうしてやりたかった。
お土産物屋さん
でもまずは観光だ。バスに乗り遺跡の入り口まで行く。アジャンダは川が蛇行してU字状になった所の外側の壁に洞窟が掘られ仏像が置かれている。

このバスで遺跡まで行く
このU字状の様子は、アメリカのグランドサークルのホースシューバンド とそっくりの形である。
石窟寺院群
洞窟の中は中央にその洞窟のメインの仏像があり、両側の壁には小部屋のようになっており、ここが僧侶の部屋だったのかもしれない。

洞窟内部
メインの仏像
この中に仏像がある
この仏像の洞窟と、なんと言えばいいのだろうか?仏塔のような物が置いてある洞窟の2種類がある。
円いのがご本尊か?
こういった洞窟が550mに渡って30個近くもあるのだから、すごい。

 洞窟はカッパドキアや、ペトラ遺跡等で見て来たが、カッパドキアの洞窟はただ掘ったと言うレベルの物に近く、ペトラ遺跡の洞窟は、外観は素晴らしかったが、中は何もなかった。アジャンダの洞窟は中の仏像仏塔が素晴らしい。しかもここの岩は固い。カッパドキアやペトラの岩は、砂質で柔らかく彫りやすそうだったが、ここの岩を掘るのには、相当な労力が必要だったろうなと思った。






この一番奥まで行くと、7つの滝が見えると教えてくれた。下から見たがよく見えない。対岸に渡り展望台に行ってみた。そこからはいくつかの滝が点々と見えた。
のど乾いたモン
そこに日本人らしき人が、現地のお土産物オジさんとしゃべっていた。こんにちはと声をかけられ、少し話したのだが、彼は4年間アフリカ自転車で旅をしていたという。世の中には、いろんな人がいるものだ。

 「お金どうしているの?」思わず聞いてしまったが、彼は笑いながら、野宿ですから宿泊費いりませんし、自転車ですから交通費いりませんという答えが返って来た。なるほどと納得した。
自転車ボーイと。
滝が7つ見えるはず
しかし、お土産物オジさんのしつこい事。断っても断っても纏わりついてくる。近くに白人の女性が来たのであのお姉さんが買うかもよと言い、ようやく追い払った。
 白人のお姉さんは最初は優しく、対応していたが、交渉は決裂したらしく、オジさんの声が追い込む様にだんだん声が大きくなり、女性は逃げる様にその場を去っていったのを見て笑ってしまったが、白人のお姉さんには悪かった。
これを使えば、足の悪い人も見学できる

椅子を使って足の悪い人を運んでいる。

 ここからアウランガーバードまでは3時間くらいはかかる。旅行会社に行かなければならないので、急いで帰らなければならない事に気がついた。バスに乗り、遺跡の入り口に戻ると、朝の日本語を操るオジさんが待ち構えていた。

 オジさんは「私、今日ずっと待ってました私のお店見て行って」と泣き顏になりながら言って来たが、もう帰らなないといけないからと、追いすがるオジさんをぶっちぎって帰った。なんだか自分が悪者になったような感じでなんだか後味が悪かった。

 翌日はエローラだ。エローラはアウランガーバードから30分くらいだからそんなに早起きする必要もなかった。バス停を降りるとそこは遺跡の入り口。入場券を買い中に入る。サルが群れている。インドは何処でもサルがたくさんいる。ヨルダン、イスラエルを一緒に旅したyukaさんはインドでサルに噛まれたらしく、その後、狂犬病予防のための注射を何度も打たなければならなかったと聞かされており、サルには注意をしていた。

 エローラの入り口は遺跡の真ん中にあり、右に行っても左に行ってもいいのだが、とりあえず右側から見学を開始。ここには、仏教ヒンドゥー教ジャイナ教の寺院があるそうだ。違いはよくわからないが、とりあえずがいたらヒンドゥー教と思えばいいが、ジャイナ教とは何ぞや??その違いを見つけるのが、今回の目標だ。

 右側の一番奥から見て歩く。我々以外誰もいない。アジャンダと同じように、中央に大仏が置かれている、しかしちょっと臭い。コウモリの糞の様な匂いがする。
 このエローラの仏像は女性の仏像が非常に多い。胸が大きく腰がくびれた女性の仏様はさすがエローラと唸ってしまう程官能的である。すべて完全に残っている仏像が少ないのが残念であった。

 そうこうしていると、小学校の団体がやって来て、我らと写真を撮りたいという。またまたここでも我らはアイドルだ。積極的な女の子は名前を名乗り、覚えてねというが、発音が難しすぎて正確には言えない。やっと覚えた名前を呼んでみたら、違っていたらしく、女の子はむくれてしまった。

 同じ様な洞窟を見て真ん中まで戻って来た。真ん中の遺跡が一番大きかった。左右に象の石像があり、真ん中の建物の中には御本尊と思われる丸い玉があり、それに触れるといい事があるらしい。触れようとしたら、そこにいた係のオジさんにドネーションと耳元でささやかれた。まあお賽銭のようなものであるが、入場料払っているしと無視して外にでる。

 この建物も岩を掘って作ってある。この建物の周りにも岩を掘って作った建物があり入ってみたが、コウモリの糞の匂いが強く吐きそうになった。
 遺跡の入場料390ルピー(だったかな?)は、コウモリ対策に使ってもらいたい。

 昼食は入り口のレストランで食べたが、他にお客は誰もいない。後で日本人客が1組きただけだった。午後は、左側に行くが、左側の遺跡は、おそらくこの辺りがジャイナ教のもののようだ。とりあえずジャイナ教の見分け方は、遺跡が荒れているか荒れていないかという事にしておいた。


 途中で日本人の青年に会った。彼は平野君といい世界一周中らしく実はまだ始まったばかりらしかった。

 第30窟から第34窟を観に行くのに、リキシャを使った方が良い等と書いてあったが、係員が上を歩いて行けばすぐだと道を案内してくれた。

 この係員はチップをねだる事もなくいい奴だった。平野君と、第30窟から第34窟を目指した。道無き道を行きたどり着いた。

 中にはいると、警備の係員が仏像の上の絵とかいくつも説明してみせてくれた。確かに案内してもらわないと、見所は難しい場所に潜んでいる。最後に、警備員はなんか頂戴と言って来た。妻がボールペンを差し出したら、ものすごく喜んでくれた。日本のコインはないかと言うので平野君が10円玉をあげたらこれもまたものすごく喜んだ。こんなものでこんなに喜ぶとは思いもしなかった。

 歩いて入り口まで戻ったが3人でしゃべりながら歩いたらあっという間だ、リキシャなんて必要なかった。

 アジャンダ、エローラの遺跡は素晴らしかった。個人的にはアジャンダの方がよく手入れもされており、良かったと思う。

 旅の写真は、撮影後、2つの外付けハードディスクにコピーして、ちゃんとバックアップをとっているのだが、なんと、エローラの写真は、ハードディスクに入れる前に、間違って消してしまったのが、残念でたまらない。

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